PAは引き算といわれるのはなぜか?

今回はアカペラのPAの話です。よくPAは足し算ではなく引き算だ、といったことを耳にします。その理由を解説していきます。

 

そもそもPAの足し算引き算って何?

PAの足し算引き算とは音量のバランスを調整する時の方法です。誰かの音が聞こえない時に、その人の音量を上げるのが足し算。他のパートの音量を下げるのが引き算です。音を足したり引いたりしているという考え方ですね。

 

実際の音量と人間が感じる音量は違うもの

実際の音量(正確には音圧)と人間が感じる音量は違うものです。音圧を上げれば音は大きく聞こえますが、その度合いは一定ではありません。音圧を上げれば上げるほど音の上がり方が小さくなるように聞こえます。数字で例えると、音量51から60に上げるよりも1から10に上げる方が上がり幅が大きく感じます。

 

誰かの音が埋もれた時には?

PAをしてると誰かの音だけ小さくて埋もれてしまうことがよくあります。ここではリードが埋もれたとしましょう。リードの声量のせいで埋もれているので、単純にリードのフェーダーを上げればいいと思うかもしれません。それで上手いくいく場合もありますが、変わらないこともあります。それはどんな時かというと、全体音量が十分に大きくなっている場合です。この状態では人間の耳には音の上げ幅が小さく感じてしまうため少しフェーダーで上げたくらいでは変わりません。リードの音が聞こえるようにするためには他のパートの音量を下げれば良いです。全体の音量が下がれば音の変化に気がつきやすくなるためリードの音が大きく聞こえるようになります。これが引き算のPAが良い理由です。